日記小咄
□笑って
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いつの間にか月が隠れ
白々と空けた夜に
僕はラビを見つめた
朝は冷えた空気が頬に痛くて
ケットを手繰り寄せる
隣にある温もりに僕は酷く安心してしまう
ラビの繰り返される呼吸が何故だか悲しくて
ラビの輪郭が崩れてしまう
「なんさ…起きちゃったんさ」
瞳を閉じたまま僕に聞いてくれる
「はい、寒いのと」
「うん」
「眩しくて目が覚めました」
初めて貴方に嘘をつく事を許してください
「そっか」
「ええ、ラビ」
くるりと抱きしめられて貴方を見上げれば
やっぱり輪郭は崩れていて
「ラビ、今日だけ僕は生きるのをやめます」
ラビは優しくキスしてくれた
「俺はこれから生きていては…いねぇさ」
キスして抱きしめて
二人で居ないと生きていけない僕たちを
どうか
どうか
もう少しだけ生きさせて下さい
生きるのをやめる
その もう少し前まで
[笑って→寒い朝→]