日記小咄

□懲りないバカ兎
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あいつの走ってくる恰好を見た時、俺は不覚にも壁に頭をぶつけた


『ぱっつんの不覚編』


全裸に団服で走ってくるもやし、どう見てももやし

………しかも見えてる



狼の群れに放り出された美味しい獲物だ


「神田〜!」


何故か獲物は俺に向かって一直線だ


「ど…どうした、もやし」


「酷いんです!談話室でうたた寝してたら、ラビが、ラビが…!」





バカ兎、今日ほどお前を偉ぇと思った事はねぇ!

「…で、服はどうした」

「わかりません……」


やるなバカ兎!


「どうしましょう神田、僕もう恥ずかしくてお婿に行けません!!!」


「おい、ちょっと待て…!お前は婿になるつもりなのか?」


「えっ?だって僕は男の子ですよ」


ならお前の歩いて来た後ろに転がる男どもの屍はなんなんだ…!


「神田?」


ったく胸も足もまる見えだ


「ちょっと大人しくしてろ」


俺は自分の団服の釦を外してアレンを抱き抱えた

「ちょっと!神田!」


「うるせぇ、静かにしてねぇとてめぇのケツがまる見えだぞ」


「やんっ!」


アレンは自分のケツを押さえた
俺はアレンを自分の団服に包んで



…哀れな屍達を越えて行く


「何処に行くんですか?」


「ハッ!獲物は持ち帰りに決まってるだろ」


俺は不覚にも笑いながらアレンを抱いて歩いた


こんな休日もマジで悪くねぇな






グッジョブ!クソ兎!

後で死ぬほどアレンに怒られろ!


「神田〜!」


「黙ってろ、アレン
でないとケツ以外もまる見えになるぜ
俺はそれでもいいけどな


「嫌ですっ!!!!」



俺は久しぶりに愉快だった。



素足でお前を歩かせられるかよ

バ〜カ



兎ぱっつん白い子は仲良しです
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