牧場物語

□恋人ごっこ
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「…すき、だよっ…」
 
 
どれくら泣いていたのだろうか
 
 
掠れた声で君は呟く
 
 
「うん、知ってる…。」
 
 
君が僕を好きな事は知っている
 
 
でも
 
 
「…だからっ、別れよ?」
 
 
君が思う好きと
 
 
僕が想う好きは
 
 
違うんだよね
 
 
「勝手で…ごめ、ね…。」
 
 
君は悪くないよ
 
 
「…もう、チハ、ヤを利用してるみたいで…堪えられないの…。」
 
 
それを望んだのは僕だった
 
 
利用してくれて構わないって言ったら…
 
 
君は僕の隣に居てくれるのかな
 
 
「………………」
 
 
そんな事は言えない
 
 
君を困らせるだけだから
 
 
 
だから
 
 
僕はそっと
 
 
その瞳から零れ落ちる涙を拭う
 
 
 
「今までありがとう。」
 
 
そして ごめんね
 
 
両手で顔を覆って、小さく嗚咽を洩らす君に背を向けて歩き出す
 
 
これで僕と君の恋人ごっこは終わった
 
 
今まで
 
付き合ってくれて
 
ありがとう
 
 
「…本当に、好きだった。」
 
 
澄んだ青空に向かってそっと それだけを呟いた
 
 
 
 
 
 
>>後書き
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