その他
□初体験
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放課後の、二人っきりの教室……
茶髪の半袖男子が頭をかきながら悩み、マフラーまでした、厚着の男子が何やらアドバイスをしながらノートにメモをしている。
そう。
タローは、今ナカジに数学の勉強を教えてもらっている最中だったのだ。
「なぁ〜、ここは、どうするんだー??」
タローは、問題の書かれている場所を指さしながら、ナカジに問う。
「……だから、そこの問題は、さっきの解き方でやればいいんだ」
「…………………」
「どうした、さっさとやれよ?」
ナカジにそう言われても、タローは手を動かそうとしない。
次第に、タローの顔がひきつっているのが、ナカジから見て分かった。
「……おい、まさかお前、もう解き方を忘れたのか?」
「…………う、うん」
タローは、苦笑いをしながら、ナカジを見る。
「ナカジ………、もう一回教えて?(*∀*)」
「………やなこった」
ナカジは、そっぽを向いてしまった。
さっきから、これが何度も続いていたからだ。
「……何回も聞いて、覚えられないお前が悪いんだろうが。俺のアドバイス無しで、それ解いてみろ」
「えーっ!!なんでだよーっっ!?」
むすっと顔を膨らませるタローに対し、ナカジはそれを容赦なく睨み付ける。
「いいからやれ」
冷たい、その視線。
「〜っ、やればいいんだろぉ、やれば!!」
恐くなったのか、タローはしぶしぶ問題解きに取り組みだした。