捧色の間3

□適材適所の選択肢
1ページ/4ページ

・・・―――「よろしくお願いします。黄進士」


数秒絶句した後、それでもにこやかに笑いかけてくれた先輩官吏に、鳳珠はかなり驚いていた


なにしろ今年は、進士式自体マトモには行なわれなかった


なぜなら、皆が鳳珠の美貌に惚けて正気を失い、“自分”を保っているのは、同じく及第した進士達と、霄宰相・茶大官・宋将軍と主上、そして、数えられそうなほどの数名の官吏だけだった


進士達は、及第する時点で“振るい”にかけられているため、少なくとも正気を失うものはいなかった

とはいえ、クスクス笑う余裕があったのは、探花及第した自分の横に並んでいた、状元、悠舜・榜眼、黎深・そして悠舜の後ろに並んでいた4位及第、飛翔だけだったが・・・


どうやら、この穏やかに笑う先輩官吏は、神経の図太さではアイツ等に並ぶらしいな・・


というのが、鳳珠の最初の感想だった
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ