『霞シリーズ』番外編集
□きっと変わらずに
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・・・―――『評価はあと3年、待ってください』
どんな気持ちで、あの子は言っただろう?
3年後、あの子は何をしているだろう?
3年という近い未来なら、官吏で居られなくなるということは、あまり、
絶対では無いけれど、あまり考えられないから・・・
3年後には、少しは私達が、『馬鹿ではない』と言えるようになった王に、仕えているだろうか・・・?
自分で望んだ通りに、どうか・・・
何気なく窓辺に寄って勝手に窓を開けた黎深が、そこから中庭を眺めて、微笑む・・・
「ああやっぱり、君の邸の中庭は綺麗だね、鳳珠―――」
李の花が咲く、この季節は・・・と、黎深はハッキリと言葉にはしなかったけれど、
1つだけ確かなことは
3年後の今日も、この庭には白い李の花が咲いていること―――
END