短編小説
□枯渇
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あの人が私の全てだった。
『貴方の為ならば、死ねる』‥なんてキザな台詞をよく耳にするけど、貴方はそれをさせる事が出来る世界でただ一人の人だった。
‥なんて大袈裟かも知れないけど、近からず、遠からず‥
私の世界は貴方を中心に回っていた。
だから‥
だからあなたが、
『本気でお前なんかに惚れる訳ないだろう』
なんて言葉にも
「分かってたよ」
なんて笑って答える事が出来た。
貴方は世界の中心だから、きっと貴方は辛くない。
でも私は
‥‥私は‥‥
きっと回りすぎておかしくなってしまった。