短編2
□サンダルを履いた、白い足
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白い、サンダル履きの足が、
揺らり、
と、揺れた。
滑らかな、色素の薄い、白い足。
甲を這う細い紐が、その白い色にくっきりと跡をつけ、その白さを際立てている。
そして――つう、とその白い色に赤い色が伝った。ひとすじ、ふたすじ、みすじと徐々に増えてゆく赤い色。
足を伝いサンダルの紐で進路を変え、そして足の指、爪の先から雫となり滴り落ちた。
ああ、赤い――
私は瞼を閉じ、意識を手放した。
暗い暗い意識の底で、白い足と赤い色が淀みの中で漂った。
揺らり、
と揺れる、サンダル履きの赤い足――