第一章
□第4話『体育祭』
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それから二週間後、体育祭当日――
学校は旗やらなにやらで飾られ、皆賑やかで楽しそうだ。
最も、俺はそんなに楽しくないが……。
開会式をやるようなので、クラスの列に並んだ。
「あっ!クロウ〜」
この声は……
案の定、隣にはマキとサクヤ。お約束だ。
「もっと楽しもうよ! ね?」
煩いな……
「……」
「……――次は、生徒会長の挨拶です。」
と、司会の声が聞こえた。話している……のかどうだかは微妙だが、そのうちに開会式は始まっていたようだ。
階段を登る靴の音がしている。
一歩一歩台に上り、上に立った。
そいつは、銀髪の超絶美形男子だ。
あれが生徒会長……
「ちょっ、かっこいいじゃない!」
マキが興奮気味に言った。
そして、会長が口を開いた。
「このような時代だ。数少ない学校行事を、存分に楽しむように」
それだけ言うと、さっさと台を降りていった。
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