第一章
□第1話『俺の始まりの日』
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「新入生代表、クロウ・セブルス」
「……はい」
俺の名前が呼ばれると、途端にざわめく場内。
“セブルス”という苗字で新入生代表ともなると、偶然とは誰も思えないようだ。
はぁー、うぜぇ。
入学式で誰かしらがやる、新入生代表が台に上がって喋るやつ。
ホントはこんな事やりたくなかった。
もちろん断ったのが、勝手に決められて言う文章渡されて、仕方なくやらなくてはならなくなった。
台の上に登り、校長に一礼してから紙を持った。
「――桜が綺麗に咲く中、新しい制服に身を包み、新たな気持ちで、僕たち入学します」
別にそんな気持ちとかないけどな。
「――新しい出会いに、僕はとてもワクワクしています」
別にワクワクしてねーよ。
つか新しいって単語使い過ぎだろ。
と、内心突っ込みを入れながら感情のこもらない挨拶を、その後五分位喋り続けた。
終わったらさっさと自分が元いた場所に戻り、座った。
ああ、文章長い!誰もたいして聞いてないだろうに。
こうして長いようで短い入学式は幕を閉じた。
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