第一章
□第3話『神ノ子・狼』
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そろそろ来る頃だな。
自室のカレンダーを見る。
そこには、今日の日付のところに赤くバッテンがついていた。
今日は……満月の夜だ……。
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討伐部は部活登録できたらしく、今日の放課後から活動を開始するらしい。
現在五時間目。
だがやはり気になるのは、
「どうして討伐部に入るなんていいだしたんだ?」
サクヤがなぜいきなり入るなんて言ったのかだった。
俺と同様、あんな嫌がっていたのに……。
「別に。目的ができたというだけのこと」
「もしかして、お前がこの前戦っていたあの女のことか?」
俺がそう言った瞬間、サクヤの顔色が変わった。
「知っているのか?」
「なんだ、知らないのか?」
あの様子だと、いかにもよく知る知り合いというふうに感じたが。
「何も……。私が何かしていたのか?」
驚いた。
たしかにあの時のサクヤは様子がおかしかったが……
「いや、なんでもない」
「そうか」
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