第一章

□第4話『体育祭』
1ページ/10ページ


 そろそろアレがある。行事ってやつだ。


 まあ、俺はこのてのようなことが嫌いなので面倒だ。



「では、これから体育祭の競技の分担をします」


 学級委員のミン・エクシオが、黒板を背に言った。



 黒板には競技名が書いてある。


 100メートル走、三人四脚、借り物競争、騎馬戦、リレー、障害物競争、パン食い競争……



「まずリレーの選手決めまーすッ 足速い人〜挙手ッ!」


 もう一人の学級委員、ヨウタ・サイキルスは常にテンションの高い男だ。


 そこでマキが勢いよく手を挙げた。

 あいつ足早かったのか。


「クロウ君が足速いです〜!」


 んなっ……!


 マキがこっちに親指を突き出してウインクした。


 コイツ……余計なことを。


 お節介女が



「じゃあ一人はクロウ……っと」


「おい、ちょっと待て! 俺はやりたくない」


「後五人決めんぞ!」


 人の話し聞けよ。てかやりたくなかったのに強制か……

 完全にを無視して話しを続けている。



「ねーねー、サクヤ〜一緒に二人三脚出ようよ」


 隣でマキがサクヤに話している。



 こいつ、俺をリレーとかいう面倒なのにさせておいて、自分はかなり簡単なやつを……


「ああ。いいよ」

 サクヤがマキに答えた。


 サクヤの傷は完治したようだった。

 だが、あれからあんま話していない。


 それに俺は、あまり人とも話さないようにしていた。



 俺と関わると傷つくだけだから。



 マキとサクヤは結構仲良くなったようだ。なぜか寮が同じらしい。


 まあ、サクヤが付き合ってやってるような感じにも見えなくもないが……。



 僚といえば、俺はやっと僚に入る事が出来た。

 運よく一人部屋だったので、すごく気が楽だ。



「じゃあ、これでいいわね。クラス対抗リレーの走る順番はこっちで適当に決めておくから」


 と、いつの間にかHRは終わった。


――――――――――
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ