第一章
□第6話『二人の秘密』
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『お前は今日から俺の守護人となる』
ここ最近、私の頭にはその言葉ばかり響く。
あの後、討伐部はこれ以上戦うのは無理だと判断し、逃げる事にした。
逃げ続けて時間稼ぎをした結果、軍隊が来てくれたおかげでなんとか助かった。
そして、あの騒動がやっと落ち着いてきた最近、守護人の役割などを聞いた。
私はつまり、神ノ子であるクロウを、命をかけてでも守ることになったようだ。
けれど私はずっと引っ掛かっていた。
あの時、契約しなければ生きられなかったとはいえ、勝手にクロウを守った私が悪い。余計なお世話だったかもしれない、と。
あの時庇ったが為に、私は一生クロウを守ることになったのだ……。
別に私は構わない。元々なんの為に戦っているのかわからなかったし、私の戦いには意味のないものだった。
だから、戦う意味が出来たのなら……私は全力でクロウを守ろうと思う。
けれど、本当に私でいいのか?
私は――魔人だぞ……?
なんとなくわかる。私は魔人だ。
この、体を駆け巡る何かの感覚……これは魔力だ。
それに私は、人の魔力を感じることができる。