第一章
□第7話『裏切りと事実』
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終業式の後、夏休みはなんとか普通に過ごした。
普通といっても、魔人はやはり出てくるので倒しながらだが。
しかし幸いにも雑魚ばかりで、強い奴はいなかった。
そして、夏休み中で守護人について学んだ。
守護人とは、神ノ子を命がけでも守る存在……――
なのだが、クロウはあまりそれを強制しなかった。
そんな夏休みを過ごしているうちに、事は起きた。
八月三十一日――夏休み最後の日
やる事もないので部室にきて辺りにあるものを漁っていた。まだ討伐部の部室は出来たばかりほとんど何もない。適当にナイフがある程度か……。
そこにあるナイフを一本取り出し、近くにあった紙を切ってみる。
「切れ味悪い……」
見た目通り全然ダメ。こんな物を置いてどうするのか
そんな事を思っていると、ドアノブをひねる音が聞こえた。
「あ……サクヤか」
部室に入ってきたのはクロウだった。
「なあ、サク――」
何かクロウが言おうとしたところで、
「なんだ
ぁ〜! サクヤ! ここにいたの〜?」
いきなりのマキの登場によりその声は掻き消された。
「ど、どうしたんだ?」
「いやぁ、おいしいケーキ屋さんみつけたから行こうと思って〜」
いや、もうそろそろ集合時間だぞ?
「時間ないと思うが……」
「いいのいいの!」