第一章

□第7話『裏切りと事実』
1ページ/13ページ


 終業式の後、夏休みはなんとか普通に過ごした。


 普通といっても、魔人はやはり出てくるので倒しながらだが。


 しかし幸いにも雑魚ばかりで、強い奴はいなかった。



 そして、夏休み中で守護人について学んだ。



 守護人とは、神ノ子を命がけでも守る存在……――


 なのだが、クロウはあまりそれを強制しなかった。


 そんな夏休みを過ごしているうちに、事は起きた。




 八月三十一日――夏休み最後の日



 やる事もないので部室にきて辺りにあるものを漁っていた。まだ討伐部の部室は出来たばかりほとんど何もない。適当にナイフがある程度か……。


 そこにあるナイフを一本取り出し、近くにあった紙を切ってみる。


「切れ味悪い……」


 見た目通り全然ダメ。こんな物を置いてどうするのか


 そんな事を思っていると、ドアノブをひねる音が聞こえた。


「あ……サクヤか」


 部室に入ってきたのはクロウだった。


「なあ、サク――」


何かクロウが言おうとしたところで、


「なんだ
ぁ〜! サクヤ! ここにいたの〜?」


 いきなりのマキの登場によりその声は掻き消された。


「ど、どうしたんだ?」


「いやぁ、おいしいケーキ屋さんみつけたから行こうと思って〜」


いや、もうそろそろ集合時間だぞ?



「時間ないと思うが……」


「いいのいいの!」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ