第一章

□第9話『暗い思い出』
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 文化祭が終わった後、それといった行事は何もなく、戦いの方も生徒会と対立しながらも順調に魔人を倒していく日々を過ごしていた。


 そんな中でも季節は目まぐるしく過ぎていき、ふと気がつくと吐く息が白くなっていた。
いつの間にかもう十二月である。


 いつものように変わらず部室に行くと、変わらずタイトがいた。
タイトが先に部室にいないことなんてないかもしれない。授業はどうしているんだ。留年してるからいいのか?いや、そういう問題じゃないだろうが……。


「どーも」


 俺が一言挨拶すると、タイトはにまにましながらこっちに寄ってきた。
なんだいつもと少し違う雰囲気を感じるぞ。
 そして俺の肩に力いっぱい手をおき、口を開いた。


「なあ、明日は何の日だ?」


 は?何言ってんだ?この人は……
俺は人の誕生日やら記念日やらを覚えてるようなやつじゃないぞ。と思いたいが実は討伐部のやつらの誕生日はしっかり記憶してしまっているのだが。
とりあえず明日は心当たりは全くない。


「さあ」


「クリスマスだよ! ク・リ・ス・マ・ス!!」


 んな強調しなくても……
しかし、明日はクリスマスか。そういえば商店街がライトアップされているのを見て、もうそんな時期かなどと思ったな。日にちまでは気にしていなかったが。
で、

「それがなんだ?」



「っか〜〜! お前男の飾髪にもおけないな!」

タイトはガリガリと頭をかきながら、心底呆れたといったように肩を落とした。

「クリスマスだから俺とマキを外して、お前ら二人で見回りに行ってくれないか?」


 なるほど……どうやらクリスマスで恋人二人同士でいたいということだな。
 俺ならそう思うだろうしな。まあ当たり前の発想だ。


「仕方ない。わかった」


 俺は快く了承した。つもりである。



「マジか! ありがとう〜、クロウ!」

タイトは俺の肩をガッチリ掴み、揺すりながら喜びを表していた。

「おい、力が強すぎる。頭がぐわんぐわんしてきた」


――――――――――――――

 早くも12月24日。クリスマスイブの日がやってきた。


 タイトに代わって俺がサクヤに事情を説明すると、すんなりとOKして
くれた。
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