第一章
□第1話『俺の始まりの日』
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入学式後、在校生に誘導されながら教室にきた。
そして席についてぼーっとしていた。
やる事は特にない。知り合いもいないから、友達同士でたまるという事もないからだ。
そこに、
「ねぇねぇ!君ってあの、クロウ・セブルスだよね?」
「すごい! よろしくね!」
案の定、クラスの人に騒がれた。
自己紹介とかなんとか言って、名前とか名乗られても一々覚えてられないから。
というか、何がすごいんだか……。
適当に相手をしてたぶらかし、やっと周りに集まらなくなった頃に気付いた。
隣の席の黒髪の女、朝にいた女だ……。
クラスも同じで席も隣とは、なんていう奇遇だ。
まあ、関わらなければいいか。
しかし俺、コイツになんかしただろうか。知り合いだったか?
嫌いだからあんな目向けてきたのか……?
記憶を巡らせ、思いだそうとしているところで、ドアを開ける音が聞こえた。
担任が教室に来たようだ。
うるさかったクラスも静かになった。
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