第一章
□第2話『真実の姿』
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「なんで私まで……」
結局校庭まで連れてこられ、サクヤは溜め息をつきながら言った。
「だって、刀持ってるってことは戦えるんでしょ?」
「そうだけど」
まあ、こういうヤツはいいと言うまでしつこく来るタイプだ。
サクヤも諦めて抵抗するのをやめたようだ。
「じゃあまず私とクロウが勝負するからサクヤは審判ね!」
「わかった」
仕方なく俺はナイフを手にとった。
マキは銃を取り出す。
「ちょっと待て。マジでやるのか?」
何しろ銃だ。銃弾なんかくらえば俺だって致命傷になりかねない。
「大丈夫!こっちはゴム弾だから。まあ、当たれば普通の銃弾並に痛いけどね♪」
……意味ねェじゃん。
「じゃあ俺はこれでやる」
ナイフを戻し、近くの木から、頑丈そうでナイフの長さに似ている枝を探して手に持った。
「手加減してくれるの?」
「敵じゃない奴を斬るのは俺の信念に反する」
「わかった」
ニコッと笑い、マキは言った。
「それじゃ、始め!」
サクヤの合図と共に勝負が始まった。