第一章

□第2話『真実の姿』
2ページ/9ページ



「なんで私まで……」

 結局校庭まで連れてこられ、サクヤは溜め息をつきながら言った。

「だって、刀持ってるってことは戦えるんでしょ?」

「そうだけど」

 まあ、こういうヤツはいいと言うまでしつこく来るタイプだ。

 サクヤも諦めて抵抗するのをやめたようだ。

「じゃあまず私とクロウが勝負するからサクヤは審判ね!」

「わかった」

 仕方なく俺はナイフを手にとった。

 マキは銃を取り出す。

「ちょっと待て。マジでやるのか?」

 何しろ銃だ。銃弾なんかくらえば俺だって致命傷になりかねない。

「大丈夫!こっちはゴム弾だから。まあ、当たれば普通の銃弾並に痛いけどね♪」

 ……意味ねェじゃん。

「じゃあ俺はこれでやる」

 ナイフを戻し、近くの木から、頑丈そうでナイフの長さに似ている枝を探して手に持った。

「手加減してくれるの?」

「敵じゃない奴を斬るのは俺の信念に反する」

「わかった」

 ニコッと笑い、マキは言った。

「それじゃ、始め!」
 サクヤの合図と共に勝負が始まった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ