第一章

□第3話『神ノ子・狼』
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 放課後――



「よーしっ! 今日から活動を開始するぞ!」


「いえっさー!」


 マキはビシッと額に手を持っていき、敬礼ポーズをとった。
 相変わらずタイトとマキはハイテンションだ。


「何をするんだ?」


「まだあんまり決まってないんだよな〜」


「……帰る」


 俺が反対の方に方向転換し、そういうと、

「待て待て! ひどいなぁ。しかたがない、さりげなく生徒会から盗んできた……」


 タイトはガサゴソとポケットをあさり、一枚の紙を取り出した。


「ジャーン! 魔人情報!」


 その紙を高くかかげながら勝手にアピッてやがる。


「じゃあそこに行こう!」

「まあ、他に情報もないしな」

……いいのか?生徒会から盗んだ、って……
つかなんで誰もそこを突っ込まないんだ?


――――――――――――――――

 俺達は魔人が出ると書いてあったところに行った。

 すでにもう魔人がかなりいて、死んだ人間も何人かいた。


「これだから生徒会は……!」


タイトは珍しくかなり頭にきているようだった。


「せ、生徒会は魔人の討伐をしてるんじゃなかったの!?」


「ああ、してるさ。だがこれが現状だ。こんな小規模なのは相手にしないんだ」

 タイトの握っている拳にさらに力が入り、続けた。

「小規模だからといっても、これだけの人が死んでる。わかってないんだ。生徒会は……!」



「ひどいな」


 始めに思ったことはこの一言。


 でも、仕方ないんじゃないか?


 戦争をしてるんだからな。
 生徒会だって全部は相手にできないだろう。

 悪いのは勝ち目のない戦争を始めた政府だ。

 そのせいで俺は……


「とにかく、倒そう。その方がいいだろう。」

 サクヤの言葉で、皆戦闘体勢に入った。




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