第一章

□第4話『体育祭』
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 放課後、討伐部部室に来た。
 入ったらまだサクヤしかいなかった。


「クロウか」


「……」


「……」


 ……沈黙が続く。



「気に病むことはない」


 サクヤが沈黙を破り口を開いた。


 俺はサクヤを見る。


「そんなにひどい傷ではなかったしな」


 慰めてんのか?


 以外だった。

 コイツはもっと人に――相手に無関心な女なんだと思ってた。

 わかっていても言わない女だと、そう思っていた。

 慰めてくれた事は素直に嬉しい。


 けど俺は……


「俺は別にそのこと気にしてない」


 突き放すような言い方で言った。

 俺は元々あんま素直に人と接する事が出来なくて、照れたり嬉しかったりすると冷たくなってしまう。


それもあるが、今は人と関わっちゃいけない。その気持ちが大きくて、余計冷たくしてしまったんだ。


「……そうか」


 サクヤは冷たく言い放った。


 変な静けさの中、突如いきおいよくドアが開いた。

 無駄に大きな音してマキが現れた。


「やっと掃除終わった〜! あれ? タイトは?」

 おまけに無駄にハイテンションだ。


「まだ来てないが」


「そっかぁ」


 再びさっきのように激しくドアが開かれた。

「みんな来たかぁ!!?」


もちろん、タイトだ。

同じくハイテンションである。


「おっいるな?じゃあ、今日は体育祭の説明に来たんだ」


 説明?

 体育祭でやる事なんてあるのか?

「今度体育祭があるだろ? そういう祭とかイベントとか、人の多く集まる場所は魔人がよく来るんだ。でだ、体育祭で魔人が来た時、勿論俺達は魔人と戦う。だから用意は万全にしておいてくれ」


 皆は了承し、今日は解散になった。


 しかし、体育祭でナイフ邪魔だな……


 そんな事を考えながら帰った。



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