第一章
□第7話『裏切りと事実』
2ページ/13ページ
そしてまたもドアは開けられた。
「アレっ、まだ皆集まってない?」
それはカナメさんだった。
「カナメも一緒にケーキ食べに行こうよ〜♪」
「ん! いいねェ〜!」
いいんですか……
「あっ! クロウいたのっ? じゃあクロウも一緒にどお?」
目の前にいたのに気付いてなかったのか……
なんだか凄く可哀想だった。
そして、またまたドアは開かれる。
おそらくこれが最後であろう。
「うい〜すっ! 皆集まってる〜!?」
独特な勢いのあるドアの開け方……好い加減それは止めて下さいよ
私は心の中で全員にツッコミを入れていた。
「じゃあ今日は見回りをするぞ〜!」
「ちょっと……いいか?」
タイトさんが言い終わるのと同時に、クロウが珍しく皆の前で口を開いた。
話しを割ってまで入ってくることは、今までになかっただろう。
「どうした?」
暗い面持ちのクロウに――まあ、いつも暗いが――タイトさんもその空気を感じとったのか、少し顔が真剣だ。