第一章
□第8話『互いの約束』
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んで結局……
「今年、1年F組がやるのは、射的屋に決まりました。」
クソ……結局こうなったか。
なぜか射的屋に手を挙げた人が多かった
。
きっとマキの陰謀だろう…。
「クロウ、裏切ったよね! 酷ッ! てかそんなにわた飴食べたかったのっ!?」
こっちを指先ながら大声でマキが言う。
別に入れるなんて一言も言ってないんだが。
てかそんなにわた飴だって食いたくねェよ。
なんかすごいわた飴食いたい人みたいで恥ずかしいじゃん。
俺はフンッとそっぽを向いた。
そこでたまたまサクヤと目が合った。
「……」
「……」
「……」
「タイトさんが放課後部室に来るよう行っていたぞ。」
なんの用だ…?
てかさっきの沈黙はなんだったんだ?
――――――――――――――
放課後、部室に来た。
部室に入る前から、中から変な音がしていることには気付いていたが、
これは一体なんなんだ……!
少し暑くなった部室
ジュージューと焼けるいい音……
充満する香ばしいソースの香り
それは――焼き
そば!
そう、なぜかタイトが焼きそばを作っている。
わざわざ畳み一畳分くらい余裕にありそうな鉄板まで用意して。
なぜここで焼きそばを作っている?
その鉄板はどこから持ってきたんだ?
誰が飛び散った油やらなんやらを掃除するんだ?
色々と突っ込む要素がたくさんありすぎて何も言えなく、絶句した。
「おう!クロウ!喰うか?」
タイトは爽やかな顔で俺に言ってきた。
その爽やかな顔が無性にムカつく……
なんか殴りたい。