第一章
□第9話『暗い思い出』
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「人が多いし、商店街に行こう。あそこが一番来る可能性が高いだろう」
商店街がライトアップされていることを知ってか知らずか、サクヤが言った。
確かに、今日は普段よりも人が多いだろう。その選択は正しいと思った。
そして俺とサクヤは商店街に向かった。
商店街についたら、そこは綺麗にライトアップされていた。前に来た時はそんなに意識していなかったが、普段とは姿の違う商店街の特別感に高揚した。
「すごいな……」
サクヤは本当に感動してるようだった。
「ライトアップされてからは商店街来たの初めてか?」
「ああ」
まあ、俺だって部活以外でようなんてないからめったにこないけどな。
「見てくか? 奥にクリスマスツリーあるけど」
サクヤが相当感動したようだったので、言ってみた。
「いいのか? 見回りは?」
「見回りも兼ねれば平気だろ」
返事を待たずに、俺はさっさと先を歩いた。
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広場に来ると、いつも以上に人通りが多かった。カップルや家族連れ……はたまた一人でいる奴だって、みんなの視線は一点にくぎづけだ。
視線の先には巨大なクリスマスツリーが見事にライトアップされている。
「すごい……綺麗だ……」
隣でサクヤが呟いた。
俺はツリーあった視線をサクヤに向けた。
あ……