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□S短文集
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一瞬の間の出来事。

ガラス窓が割れて、
飛んで入った緑の物体が、
俺を押し倒して、
馬乗りになった。




catch me if you can





「・・・・、」

「・・・・ッ」


放心した俺と、息切れをするジェット。
沈黙は暫らく続く。
まだ頭上には星が散らばっていて。まずは何をすればいいのかわからなくて。


「お、おぅ。久しぶりだな、ジェット」


まだ息を整える最中のジェットに、ただ事じゃない自体のなかで
能天気にも軽い挨拶。
彼奴も同じ事を思ったらしい。
呼吸が整えば、眉間に皺を寄せて俺を睨んだ。


「ケッ・・・呑気なもんだな、ソニック! 貴様が置かれてる状況がわかってんのか?」


ニヤリ、口元を歪ませて。
不適に笑って俺を見下ろす。
や、様になってると思ったし
どんな状況か?だなんて。
嫌というほど知ってるからわかってる。
まぁ、そういうことは嫌いじゃないんだけど・・相手が相手じゃ気が引ける。
やっと頭が落ち着いた俺も、不適な笑みを作った。


「Ha・・・、正気かィ?」

「当然。・・俺様にも我慢の限界ってのがあるんだぜ?」

「そりゃ知らなかったな」

「それもそうだろうな・・今初めて行動に移したんだ」


言いながら、唇が降りてくる。
・・なんて不恰好な、触れるだけの。


「・・まさか、俺を盗みにきたとか?」

「・・・・何がおかしい?」

「残念だな、」


眉を潜ませたジェットの片腕を引っ張った。
不意を突かれて、その体は完全に床に落ちる。
見計らって形勢逆転。そのまま驚いてるヒヨコに口付けを。

唇から舌を割り入れて、
絡ませて、
吸い付いて。

俺もまだまだ上手くないほうだと思う。
それでも、ジェットの呼吸を乱すのには十分だったようで。
しばらくして唇をゆっくり離し、銀糸を舐め取った。


「っん・・は、」

「お前じゃ経験不足。」

「・・ッ!」


頭を撫でて立ち上がる。
力が抜けたのか、ジェットは動かずにいた。
悔しそうに歯を食い縛って、小さく悪態をついていた。
悪いな、お前にゃ時間が必要なんだ。


「・・・・・・・る」

「・・・あ?」

「Catch me if you can. じゃあな」


そのまま一言残して
襲いにきた筈の不法侵入者から逃げるように、走った。

(残された彼奴が何を思ったかは知らない。
それでも、何かが始まる気がした。)

END


僕の理想のジェソニジェ。
初めは経験豊富なソニとヒヨコちゃんなジェット様。
逆転するのはいつやら・・と。

頑張(って逃げ切)れソニック!負けるなジェット様!
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