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□日記妄想庫
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ベア過去話
┗悲愴・薬物・グロ注意!



ベアの両親は仲が悪いです。
ぶっちゃけ母親は父親を殺してやりたいと思っていたし、
父親は夜遊びはするわDVはするわで最低な男でした。

ベアは、母親がレイプ被害にあって生まれた逆子の未熟児でした。
父親はレイプした男の集団の一人で、母親の両親が死に物狂いで探し唯一所在を掴む事のできた馬鹿な男。
嫌々ながらベアを認知させられたのです。

父親は勿論母親もベアに愛情なんて沸かないものですからベアは虐待され放題。
そんなことも手伝って言葉もろくに話せないから保育園ではいじめられ放題。
子供ながらに捻くれてせんせいもベアが嫌い。
ぬいぐるみで遊ぶのがベアの日課。

そんな日々が何年も何年も。

ある日母親はドラッグやシンナーに手を出した。
父親がベアだけじゃ飽き足らず母親まで殴りだしたからだ。
母親がぼろぼろになって死んでいくのをベアはただひたすら殴られながら眺めてた。
ベアを殴ったせいで手の骨が折れたときも。
葬式の後、あんぱんのせいで火葬されて骨なんてひとつも残ってなかったときも。

ベアはかわいそうなんて思わなかった。
否、思ったけど
他人事だった。
母親がだいきらいだったから。

そしてこうも思った。

「あぁきっと僕も母親のように死んでいくんだなぁ」

ベアがドラッグに手を出したのは中学生頃の歳のときでした。



一方父親は。

大手家電メーカー“アルヴィオ”の平社員でしたが

ある日、会社のプロジェクトの資金を横領してしまい持ち逃げしました。
何かに怯えるように家に立てこもり
ベアを外に出ないように閉じ込めて
恐怖を振り払うように毎日毎日ベアに非道の限りを尽くしました。

時には殴り
時には首を絞め
煙草を腕に押し付け
ありえない場所から注射を打ち
自分の欲を満たし。

それでもベアは笑っていました。
薬が回ってキマッていたからか
心が限界だったのか

歌をうたいながら

ある日父親の内蔵を引き摺りだしていました。

泣きながら笑いながら
まるで粘土を捏ねるように
父親の亡骸で遊んでいました。



「うわー、ひどいなぁ」



銃を構えながら、背後に立っていた茶色い狼が呟きます。


「お前がやったの?」

「…ちがうよぉ、サプリがやったんだぁ…ぼくをたすけてくれたんだぁ‥」

「サプリ?」

「…この人形だろ?」


黄色い狼が血でドロドロのぬいぐるみを逆さに持ちます。
ぬいぐるみは可愛らしい姿とは裏腹に
鋭い爪で黄色い狼を引き裂こうとしました。


「本物だな」


黄色い狼は何のためらいもなくサプリの頭を踏ん付けて、壊しました。


「さぷりがしんじゃった」


ベアはへらへらと笑うだけ。
(きっと泣くことを忘れてしまったのです)

突然現れて、友達を殺した二人の狼は話し合っていました。


「どうする?キガ」

「裏切り者は一族根絶やしだ。そう教えただろう、カジリ。」

「…俺は賛成しかねる。それに、見ただろ?あの“サプリ”って人形」

「あぁ…。確かに、コイツは天才だな」


ベアの目の前に二人は立ちます。
目線を合わせるようにしゃがんで、黄色い狼が言いました。


「水面游羅…一緒に来るか?」


ベアに拒否なんて言葉はありません。
自由になれればそれでよかったのですから。






アルヴィオに入ったベアは、
キガとカジリが面倒を見ていました。

まずは平仮名しか喋れないベアに言葉を与え
栄養のあるものを食べさせて
彼の好きなことをさせてあげました。
(ドラッグは、どうしても止められませんでした)


たくさん知識を身につけて勉強をしたベアは、短期間でアルヴィオの研究機関に入り、
最年少でカジリの両親と肩を並べるくらいにまでなりました。

ベアはカジリの両親と、カジリとキガと、研究が大好きでした。
みんな優しかったから
みんなは自分を裏切らないとしんじていたから。



なのに
なのに






カジリが、アルヴィオを裏切った。






瓦礫に埋まったカジリの両親を覗き込みながら、ベアは小さく呟きました


「ばいばい」


こんなに頑張ったのに。
やっと居場所を見つけたと思ったのに
最低だね、あいつ


「ころしてやりたいよ」







瓦礫に埋まった資料を持ち帰り、
ベアは一人で研究を続けました。
薬でぼろぼろになった体は、
自分が“ベビー”になる事で生き長らえることができました。



研究はぼくを裏切らないからね。



持論を信じ込み、アルヴィオの残党を捕らえ人体実験を行い。






そしてベアは、今でもカジリやキガを潰す程の研究成果を求めて部屋に籠もっているのです。
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