拍手御礼SSS
□シンカガ
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「シンってさ・・・寒くないのか?」
「なんで・・・」
「コートもマフラーもしてないし、手袋もカイロも持ってないじゃないか。」
「寒くないわけじゃない。」
「寒いんだろ・・・?」
冬特有の冷たく痛い風が吹く。
そんな中、コートを着ないシンは下校時の生徒の中に混じると少し目立つ。
「いや、でもカイロはあるし。」
「カイロ!!」
「な、なんだよ・・・」
「いや、あわよくばもらおうかと・・・」
「無理だし。」
校門を過ぎ、少し歩くとまわるにいた生徒はほとんどいなくなり、二人だけの空間がやってくる。
「意地悪。」
「意地悪も何も・・・俺のカイロはこれだし。」
カイロを見せてくれるのかと思ってシンの手を見たら、なぜかカガリの手を握っていた。
「え・・・?」
「だから、俺のカイロはカガリの手だけ。人工カイロ。」
「カイロって・・・私の手もかなり冷えてかじかんでるけどな。」
「そのうち温かくなる。」
シンの手も同じくらい冷たくて、本当に冷たくなるものかと思っていたが、、手を繋いで数分、少しずつだが平熱までに温かくなっていた。
「それでも寒いだろ?」
「寒いけど、繋がないより温かいし、幸せだし、いいじゃん?」
「それは・・・うん、そうだな。」
幸せの基準がいまいちわからないが、心は手より温かかったので幸せだと思う。
そんな2人の帰り道。
end
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アトガキ
シンカガ、です。
甘いです。砂はいた方すいません。
シンカガって書いていくうちにシンがやさしい子になっていく・・・。いや、いいんですけどね(汗)