拍手御礼SSS
□キラカガ
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「キラー!!雪だぞ。雪!!」
「もう、高校生なんだから、そんな子供みたいに騒がないでよ・・・。」
「ふん!!天からの恵みを素直に喜んで何が悪い。雪なんて久しぶりなんだし。」
そういって、カガリは手に降る雪が溶けていくのをじぃっと見ている。
キラはそんなカガリに外見では呆れたように振舞っているが内心はかわいらしいと思っていた。
本当・・・どこまで僕似てて、どこから似てないのかわからない。
外見は似ているといわれるが性格は極端にいってしまえば正反対かも知れない。
「カガリ。もう、家に戻ろう。風邪引いちゃう。」
「もう、か?なら、最後に・・・」
「やだ、よ。」
「まだ、何も言ってないじゃないか!!」
「わかるよ、双子だもん。」
「なら、何が言いたかったか言ってみろよ・・・」
しゃがんだまま、キラに顔を向けるカガリは所謂上目遣い。
ずるい、よね・・・。
本人はわかってないようだけど。
「雪だるま、作ろうとか言いたかったんじゃない?」
「う・・・正解。」
「でも、嫌だからね?」
「じゃあ、小さいのでいい。」
上目遣いの上にその瞳にかすかに涙が見えるのは錯覚だろうか。余計に誘う、その視線。
キラがその首を横に振るはずもなく、結局負けてしまった。カガリにも、自分にも。
「小さいのだからね?」
「うん!!じゃあ、キラ、頭な。」
キラはおにぎりほどの雪だまを作った。カガリはそれより少し大きめのを。小さい雪だるまは3分足らずで完成してしまった。
「はい、完成。」
「うん!!可愛くて懐かしいな!!昔はもっと大きなの作ったの覚えてるか?」
「ああ・・・あの時は僕が体でね・・・カガリが作った頭はすごく小さくてバランス悪かったよね。」
「あれはキラが大きく作りすぎるから悪いんだぞ。」
「はいはい。思い出話はうちでしよう。寒いでしょ?」
そういってキラはカガリの赤くなって冷たい手をとった。
「あ・・・」
「なに?カガリ。」
「いや、なんでもない・・。」
内心僕もドキドキした。
手なんて繋ぐのは久しぶりだったから。だからカガリも驚いたのだと思う。
でも、それは僕のことを男として意識してしまったから・・・?
なんて、自惚れた想像ばかりが膨らんでいく。
僕たちの子供も、雪だるまみたいに簡単にできたらいいのに。
━━カガリへの愛がいっそう強くなっていくのを日々感じ、募っていくのはつらすぎた
end
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なんか中途半端?