インベンション。
□そのとき彼は宣った
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「パパ、何つくっているの?」
「新作の焼き菓子だよ」
「だから甘い匂いがしてるんだぁ。おいしそう…」
「味見してみるか?」
「うんっ!」
トレーに乗った出来立ての菓子を1つ摘んで、ライは可愛らしい娘の小さな口へと運んでやった。
まるで親鳥が雛に餌を与えるみたいに。
その光景を柱の陰から見守っていた(覗き見ていた)一人の御使いは思う。
微笑ましい。
実に微笑ましい光景だ。
そして、何と羨ましい光景だろうか。
(我も店主に『あーん』されたい…!!)
セイロンの欲望の炎はごうごうと燃えていた。無駄に勢いよく。
そして供に、ライとミルリーフの和やかな光景を見ていた天使は『また下らない事を考えているのかしら…』と非常に冷めた眼で燃える彼を眺めていた。
リィンバウムは今日も平和だ。
end
ありがちネタで短い。且つ若様が可笑しい。
……この文のテーマは親子愛なんだ。
(苦しい言い訳)