diary SS

□02/25〜09/26
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「でさでさー、可愛いんだ、茶屋のおねーちゃん!」
「平助、お前昨日喋ってた飯屋の子の話はどうしたヨ」
「あーあの子ね!それがさー恋仲の人がいるらしいんだよ…」
「ご愁傷様〜」
「何だ?どこの飯屋だよ」
「三条大橋辺りの」
「そういえばさ、そこ今」
「あん?」
「出るって噂、立ってるんだよねぇ〜」
「出るって、何だ、辻斬りとかか?」
「そっちじゃなくて、」
「じゃ、なくて?」
「ゆ・う・れ・い(はぁと」
「は?」
「はぁ?!」
「なんでも!そばの柳の木の下で女の幽霊見たって人結構いるみたいでさ。そこの飯屋なんてその話でもちきりらしいよ?」
「平助、おめぇそれどっから仕入れた話だよ。眉唾なんじゃねぇの?」
「そこの茶屋の子から聞いた話だから確かだよ!」
「幽霊かー…」
「ッ何だよ左之」
「いんやぁ?」
「それがさ、その幽霊!えらいべっぴんって話なんだよね!ちょっと見てみたくない?」
「ない」
「えーべっぴんってどれくらいか気にならない?新八っつぁん?」
「ならない」
「そこまでの美人なら見てみてぇなー。今から行くか!」
「いっ今から?!」
「さんせーい!!」
「俺は行かないヨ」
「新八っつぁんノリ悪いなー」
「ぷっお前、昔っから幽霊苦手だもんな」
「ちっちが!」
「…新八っつぁんって幽霊怖いの?」
「違うって言ってんだろ?」
「じゃー行こう!」
「ぜってーいかねぇー!!」
「…やぁーっぱ怖いんじゃん?」
「怖いんじゃなくて……、幽霊は刀じゃ斬れねぇだろうが」
「…ぶっふふくくくくっ」
「笑うなよ」
「ぶっぷっくくっ」
「左之も笑うな」
「新八っつぁんて、人間に対しては鬼のように強いのに、幽霊にはめっぽう弱いんだ」
「お前だってそうじゃねぇの?人間にも幽霊にも最強なのは一くらいなもんだろ?」
「そんなことはありませんぞ永倉殿」
「「「ッギャー!!」」」



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08/11
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