book1

□目隠し
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好きだと
愛していると
言っていた
何度も繰り返したそれは
いつしか耳についてしまったようで

つないだ手の感触や
合わせた唇の温もり
抱きしめられた腕の強さ
熱すぎる彼の体温

すべてがまだ体に残っていた
目を閉じればすぐ目の前にいるようで
閉じた光の中にいる彼は
いつものようあの笑顔のまま俺の名を

呼んだ

目を閉じたまま
瞼の裏側にいる彼に笑いかける

嗚呼こうやってお前は亡くなっても俺の
そばにいれくれるのか?

『泣いてる?』
「泣いてないヨ」
『大好きだよ』
「平助…ありがとう…」

ありがとう…

『新八っつぁん』

その声でその名で
呼ばれると嬉しくて

目頭と胸が熱くなる

平助…

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