book1
□俺の癖
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俺の癖、平助の額の傷をなぞり擦る事
こうやって擦っていたらいつか、この傷は消えるんだろうか
どうせ消えるならこの傷と一緒に
こいつの胸の傷も消えちまえばいい
そして笑ってればいい
それだけでいい
今はそれしか望まない
そして少しでも暖かくなればいい
体も心も全部
―…
眠ってる平助の額の傷に口付けた
もう目を覚まさない
何をしても
あぁいつでもこいつは
冷たい…
溢れた俺の涙の方が、火傷しそうなくらい
こんなにも熱いのに
何で…
傷つくばっかりで
それなのにこいつは
それを運命と受け入れるだけで
抗おうとしない
「平助……」
少し位俺にもその傷の痛みを、
分けてくれよ
教えてくれよ
全部抱え込むんじゃないよ馬鹿…