復活短編

□Distance
1ページ/1ページ


ずっと憧れてた。中学時代の頃のボスを見ながら、ずっと。恋するってどんなことなのかな、って。

ボスが笹川さんを好きなのは見ててすぐわかった。けど私は恋なんてしたことなかったから、どんなものなのかわからなかった。ただわかるのは、その人と話しただけで
胸がドキドキして緊張して何も話せなくなる、ということ。(聞いた話、だけど)すごくもどかしい気持ちにもなるけど、別にいやな気持ちじゃないとか。(よくわかんない)伝えたいけど伝えられない、けどその気持ちを無くすのが怖い。そんな難しいもんなのかと、疑ってたあの頃。私もやっと好きな人が出来た。

「・・・この歳になって、やっと好きな人ができるってのも・・・どうかしてるよな」

そんなに私の理想は高かったのか?それに相手が、小さい頃から見てた人なんて。でもきっと私は恋愛対称になんて見られてない。それでも貴方は私と付き合ってくれてる。

あの人が好きと分かってから、すぐに告白した。そしたら、彼はいいと答えた。

それから二人でデートすることもなく、手を繋ぐでもなく、ただいつもと変わらない毎日を過ごしてた。何の進展もなく、本当に付き合ってるのかと不安になるぐらい。私は可愛くもないし、綺麗でもない。でもあの人はかっこいいから女なんていくらでもいるはず。

「・・・なんで、」

ほんとに好き、大好き。この恋を大事にしたかった。別に振られたってよかったんだ。ただ、想いを告げられないままは嫌だった。すっきりさせたかった。

「遊び、なのかな」

「何が遊び、だ?」

突然の声。(紛れもない、あの人の)ねえ知ってる?貴方は私の初めて好きになった人なの。知らないから、弄ぶの?私も、他の人と同じ存在?

「・・・リボーンは、私のこと、」

この先を言ったら、貴方は私から離れる?付き合ってられねぇ、って離れて行ってしまうの?・・・悔しいけど、大好きなんだよ。

「私の、こと」

「何だよ」

「・・・・・・・・・・ううん、やっぱり何でもないっ」

「・・・意味わかんねーぞ」

弱虫。前ならきっと聞けた。ただ一緒にいた時間が長すぎたの。あの時振られてれば、きっと私は貴方の傍から離れたんじゃないかなと思う。

「・・・・・好きなのに、」

貴方が少しだけ離れてから、そっと呟く。お願い、届いて。この声貴方に届いて。


Distance
(結局この声は貴方に届かなかった)(私の貴方の間にあるのは距離だけなのね)



20080727
恋する1秒!さまへ提出!
参加させていただき有難う御座いました

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ