復活短編
□Distance
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ずっと憧れてた。中学時代の頃のボスを見ながら、ずっと。恋するってどんなことなのかな、って。
ボスが笹川さんを好きなのは見ててすぐわかった。けど私は恋なんてしたことなかったから、どんなものなのかわからなかった。ただわかるのは、その人と話しただけで
胸がドキドキして緊張して何も話せなくなる、ということ。(聞いた話、だけど)すごくもどかしい気持ちにもなるけど、別にいやな気持ちじゃないとか。(よくわかんない)伝えたいけど伝えられない、けどその気持ちを無くすのが怖い。そんな難しいもんなのかと、疑ってたあの頃。私もやっと好きな人が出来た。
「・・・この歳になって、やっと好きな人ができるってのも・・・どうかしてるよな」
そんなに私の理想は高かったのか?それに相手が、小さい頃から見てた人なんて。でもきっと私は恋愛対称になんて見られてない。それでも貴方は私と付き合ってくれてる。
あの人が好きと分かってから、すぐに告白した。そしたら、彼はいいと答えた。
それから二人でデートすることもなく、手を繋ぐでもなく、ただいつもと変わらない毎日を過ごしてた。何の進展もなく、本当に付き合ってるのかと不安になるぐらい。私は可愛くもないし、綺麗でもない。でもあの人はかっこいいから女なんていくらでもいるはず。
「・・・なんで、」
ほんとに好き、大好き。この恋を大事にしたかった。別に振られたってよかったんだ。ただ、想いを告げられないままは嫌だった。すっきりさせたかった。
「遊び、なのかな」
「何が遊び、だ?」
突然の声。(紛れもない、あの人の)ねえ知ってる?貴方は私の初めて好きになった人なの。知らないから、弄ぶの?私も、他の人と同じ存在?
「・・・リボーンは、私のこと、」
この先を言ったら、貴方は私から離れる?付き合ってられねぇ、って離れて行ってしまうの?・・・悔しいけど、大好きなんだよ。
「私の、こと」
「何だよ」
「・・・・・・・・・・ううん、やっぱり何でもないっ」
「・・・意味わかんねーぞ」
弱虫。前ならきっと聞けた。ただ一緒にいた時間が長すぎたの。あの時振られてれば、きっと私は貴方の傍から離れたんじゃないかなと思う。
「・・・・・好きなのに、」
貴方が少しだけ離れてから、そっと呟く。お願い、届いて。この声貴方に届いて。
Distance
(結局この声は貴方に届かなかった)(私の貴方の間にあるのは距離だけなのね)
20080727
恋する1秒!さまへ提出!
参加させていただき有難う御座いました