〜帝王と私と飴玉ο〜
(喧嘩なんて、私達の愛の前には無力なもの。)
夕日の柔らかく暖かい陽射しが放課後の教室に光射す。
そんな中、今だ帰らず自席に座る一人の少女。
「…ハァ…私、またやっちゃった…」
その少女は溜め息をつき、後悔の言葉を発した。
どこか悲しそうに、誰かを愛しそうに、切なそうに…そんないくつもの感情が表れた表情をして──
「どうして、“妬いてた”って…“私の景吾に近付かないで”って言えないのかな…」
─言えないばかりか景吾にやつあたりしてばかり─
そう続ける少女は、“今度こそ”と意気込んで席を立つ。
辺りは、
暗くなり始めていた──
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