黄
□02.リビングルーム
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【躊躇いシャッフル】
「ただーいまぁっと」
玄関の鍵を閉めつつ呟く。
バイトから帰ってくる日付がギリギリ変わらないような時間、本来なら低音の優しい声が迎えてくれる。
しかしその声の主、ゾロは仕事の出張で一週間程海外に行っているの為に、沈黙がルフィを迎えた。
今日は行ってから三日目。
「腹へったなぁ…」
二部屋ある内の一つはリビングとして活用していた。
もう一つは寝室。
一般的にいう、ルームシェアとは違った。
友達以上、というか。
恋人となってから三年目たった。
一緒に暮らし始めたのは三か月前。
普段は別段広いと感じた事のないリビングも、たった一人、ゾロが居ないだけで物凄く広くて寂しく感じてしまう。
バイト明けの空腹を満たそうと冷蔵庫を開けて、溜め息。
「食う気が起きん……」
この言葉を聞いたら、同じバイト仲間のウソップやナミは、ムンクの叫びヨロシク、正にそんな顔をするだろう。
パタンと閉めて、またリビングへ戻る。
ソファへとバタンと倒れ込むとズボンのポケットに納めていた携帯電話を取り出した。