黄
□04.期間限定
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【躊躇いシャッフル】
「だから、どこをどーしたらそうなるんだよ」
明らかに、不機嫌。
『いつもより2倍深めに眉間の皺を刻んでおります。』
そんな謳い文句を頭に過ぎらせてみるものの、まさか今、それを口には出来ない空気だと言う事は、いくらなんでもルフィにも理解出来た。
「しょうがないだろー、ナミが困ってんだからよー」
「だから、お前じゃなくて、他に適役いるだろって言ってんだ。素敵眉毛とか」
額に手を当てて、疲れたように溜め息。
「サンジはダメだ。仕事で守れないじゃないか」
サンジと呼ばれた男は、ゾロの働く中学校の同僚で、何故だか両眉尾ともクルリとカールしている。
「そりゃ、そうだが」
さっきからの、この押し問答。
事の発端は、ルフィがバイトしている喫茶メリーで一緒に働いているナミが、最近変な客に付き纏われているから、その対処に、と、ルフィが護衛兼彼氏役を頼まれたのだ。
仕事から帰ってきて、サンジからの差し入れで夕飯を食べていた時から何かおかしいと思えばこれか。