名探偵コナン(連載)

□君がいるから
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一方的に切られた電話に思わず携帯を地面へと叩きつけたくなるが、そうすると誰とも連絡が取れなくなるため握りしめるだけに踏みとどまる。
だが、告げられた言葉はあまりに突然で。
おそらく向こうに着いてからのことは考えられていないだろうことに苛立つ。


「あーもう!!」
「何かお困りかな?お嬢さん」
「そりゃ困ってますよ!でもあなたに関係な…えっ?」


どこの誰かも知らない人物から声をかけられたと思い、適当にあしらおうとし振り返った先にいた人物に思わず優騎は目を見開いた。
その人物はとてもよく知っている人だった。


「なっ!?あなたは…工藤優作さんっ!?」
「おや、私をご存知ですか」
「勿論です!工藤さんの書く推理小説は日本語版も英語版も全部持っています!」
「おや、このような麗しいレディのファンがいてくれるとは私もまだ捨てたものじゃないかな」
「えっ?でもなんでここに!?」
「いえ執筆でここに来ていて、煮詰まったから散歩でも、と思いましてね。ところで何かお困りの様でしたが…私でよければ力になりますが?」


どうやら先ほどの電話を聞かれていたらしい。
この人にどうせ隠し事はできないのだろう、と口を開く。
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