名探偵コナン(連載)

□君がいるから
3ページ/24ページ


「…あー、今日本にいる上司から連絡が来て三日後にアメリカから日本に出発しろ、と言われまして…おそらくあの人は日本での私の住居なんて一切考えてくれていないんだろうなぁっと…」
「おや、日本の方かと思っていたのですが、ご実家などに住めないのですか?」
「いえ、上司がいるのが東都でして…私の実家は北海道なので…」
「確かに、それならば住まいを探さなければいけませんね。でも三日という期間ではとても難しいでしょう」
「……そうなんです」


思わず出てしまったため息に工藤さんが苦笑をこぼす。
あの人も私の実家が北海道だと知っているはずなんだけれど…もしかして忘れているんだろうか。


「(たまに抜けてるところあるからなぁ、先輩…)」
「それならうちを使うかい?」
「…え?」
「今は誰も住んでいなくてね。空き家の状態なんだ。そこでよければ使うといい」
「………えっ!?でも…」


一瞬、彼の言っている言葉が理解できなかった。それを脳が処理し、理解したので言い募ろうとしても、彼にさえぎられてしまった。


「今は息子もあの家に帰っては来ないし、妻も私も世界中を飛び回っているからね。使うついでに家の掃除なんかも頼まれてくれると嬉しいんだが…」
「…でも、いざという時に息子さんが帰ってきたら驚かれるんじゃ…」
「それは私の方から説明しておきますよ。それに部屋は余るほどあるのでね」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ