名探偵コナン(連載)

□君がいるから
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ブチ、と切った電話に深いため息を一つ落とす。
やはり私の宿泊先なんて一切考えられていなかった。
これで私も何も考えずに向こうに行っていたらどうなっていたことか…考えたくもない。


「(…まぁ、そうなったらジョディさんか先輩のとこに泊めてもらうけど)」


向こうにいる捜査員で女性なのはジョディさんだけだし、先輩は急に呼び寄せた罪滅ぼしとしてだ。
まぁ、泊まるところが決まっているからその必要もないな。
そう考えながら私は座席で襲い来る眠気に逆らうことなく意識を闇に沈めた。







「…やっと来たか……お前、やつれたか?」
「それだけとんでもない量の書類があったので」
「…すまん」
「いいですよ、仕事なんで」


たどり着いた日本の空港ではいつもの様にポケットに手を突っ込んだ先輩が壁に寄りかかって待っていた。
会った瞬間に私の顔を見て驚きにわずかに目を見開いた姿はなかなか珍しい。
基本的にこの人無表情っぽいというかポーカーフェイスだからなぁ。

小さくこぼれた欠伸に先輩が首を傾げる。


「なんだ、飛行機の中で寝なかったのか?」
「いや、寝たんですけどね?やっぱり大勢の人がいるところで熟睡はできないじゃないですか、仕事柄もありますけど」


仕事柄いつ命を狙われるか分からないような職業なので、あの様な場所で熟睡はできないのだ。
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