名探偵コナン(連載)
□君がいるから
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気が付けば空港の駐車場にたどり着き、荷物ともども車の中へ押し込まれる。
シートベルトを着用すれば進みだす車。
あぁ、この車の中…赤井先輩の匂いする………。
「そういえば優騎、以前言っていた調べ物だが………おい」
赤井が声をかけても優騎はピクリとも反応せず、顔を俯かせていた。
その様子に大体の見当がつき、そっと小さくため息をこぼす。
「(…上司が運転しているのに寝るのか)」
飛行機の中では人がいて眠れない、と言う癖にこの後輩は赤井と二人の空間だと安心したように眠るのだ。
「ジョディと一緒でも寝ないらしいが…」
それは安心している、ということなのだろうか。
アメリカにいた時も優騎とはペアを組んで仕事をすることが多かった。
入ってきたばかりの優騎にいろいろ叩き込んだのも赤井である。
だからなのか、傍にいる時が一番安心するらしい。
おそらく自分が何をしなくとも赤井がいれば何とかなると信頼しているからだ。
「…俺も男なんだがな」
しかし、起こそうという素振りを見せない赤井もまた、彼女には甘いのだ。
優騎が起きるきっかけになったのは額への衝撃だった。