名探偵コナン(連載)

□君がいるから
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「…ったぁ!?」
「いい加減起きないか」


あまりの痛みに額を抑えて悶えていた体を起こせば、すぐそばに呆れた様な表情の先輩がいた。
間違いなく額への衝撃は彼のせいだろう。
叩かれたのだろうか。


「先輩もっと優しく起こすって方法はないんですか!?」
「なんども揺すったんだがな?」


わずかに口元を引き上げて不敵に笑う彼に思わず私の口元が引きつる。
悪い顔だ…何かを企んでいるのだろうか。


「…まぁ、それは置いておいて。着いたから下りろ」
「え、あ、どうもありがとうございます」


言われるがままに下りればそこはどこかのコインパーキング。
ここからどこかに移動するのだろうか、と運転席から降りた彼を見ればもうすでにスタスタとどこかに向かって足を進めていた。
相変わらず言葉が足りない人だ。
まぁ、それも慣れてきてしまったから黙って追いかけるのだが。

前を歩く彼が一軒のカフェへと足を踏み入れた。
続いて足を踏み入れればそこには見慣れた二人の人物の姿。
久しぶりの再会に思わず頬が緩む。


「ジョディさん!ジェイムズさん!」


前にいる先輩を追い越し、声をかけた二人の座る席へと駆け寄る。
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