名探偵コナン(連載)
□君がいるから
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運転席から私を呼び止める赤井先輩の声に背を向け、借りている鍵で門を開ける。
会った時に自慢してやろうと思ったがこうも驚かれると面白くて仕方がない。
もう一つの鍵で玄関の扉を開ける。
「お邪魔します」
大きな家なだけあり、家の中も豪華な造りだ。
さすが世界でも有名な作家なだけある。
「…さて、まずは掃除かな」
ある程度家の中にある物の配置は聞いているので掃除道具の場所も分かる。
その後には買い物に行って夕飯を準備しなければ。
そして、気になっていることを調べなければ。
きっと、間に合うはずだ。
ポケットから取り出した携帯電話である番号を呼び出し掛ける。
「月城です。少しお聞きしたいことが…」
日本へ来てから三日目。
私はある場所へと来ていた。
ここで、会いたい人物がいたためだ。
「すみません」
「はい?」
「お話ししたいことがあるんですけど、よろしいでしょうか?」
「え、ええ…」
私はその人物に所持していたFBIの手帳を見せ、声をかけた。