名探偵コナン(連載)
□君がいるから
20ページ/24ページ
「もしもし、ジェイムズさんですか?赤井先輩に秘密で折り入って頼みがあるんですけど…」
きっと、この一手がこの先の未来を左右する気がするから。
ジェイムズさんへとかけていた電話を切り、再び電話をかける。
掛ける相手は…、
「あ、もしもし、有希子さんですか?今ちょっとよろしいでしょうか」
そう、現在借りている家主の夫婦へ、
「あ、いや、堅苦しいって…えーと、わかりましたよ!ちょっといいですか?ちょっと頼みたいことがあって…」
電話を掛けた途端に堅苦しい言葉遣いが気に入らないらしく、可愛らしい声で怒られてしまった。
そこである程度敬語を柔らかくし、話を続けた。
「はい、はい。ありがとうございます。じゃあよろしくお願いします」
そこで電話を切る。
工藤夫妻への確認、依頼もできた。
これで、すべての準備が整った。
あとはタイミングだ。
日本滞在五日目。
私の日本用の携帯電話に電話が入る。
「はい、月城です。…はい、わかりました。私も準備しますね」
かかってきた電話を切り、片耳に通信用のイヤホンを淹れる。
反対の耳には先ほど切ったばかりの電話で番号を呼び出しあてる。