名探偵コナン(連載)

□君がいるから
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「ジェイムズさん、月城です。今から例の件が始まりますので合図を待ってください。一応私も近くで待機してますので」
『わかった。合図があり次第私たちが動けばいいんだね?』
「はい、お願いします」


切った電話を握りしめる。
やっぱり考えていたことが現実となった。


「…行きますか」


耳につけたイヤホンの電源を入れ、玄関に置いていたこちらで新しく購入したバイクの鍵を持ち家を出る。
ここに住むことを決めた時に家主の二人からこの家の車庫にある車やバイクは自由に使ってもいいと言われているが傷つけるのも壊すのも怖いので基本的には自分のバイクを使おうと思い購入したのだ。
決してフラグにはしたくないと思わず遠い目をしてしまった。

バイクに跨り、ハンドルに取り付けた小型の機械を操作しバイクを走らせる。
向かうは発信機が示す場所。
イヤホンから聞こえてくる会話に注意しながら走らせたバイクは港近くまで来ていた。
発信機の移動が止まったのでそこから距離を取った場所のいくつも並ぶコンテナなどの隙間に音を鳴らさない様に注意してバイクを入り込ませる。
しばらくイヤホンに意識を向けていると、聞こえてくる音声に本来聞こえるはずのない子供の声が聞こえてきた。
これは、まずいかもしれない…。
なぜ彼女はあのことを伝えてしまっているのか。
急ぎポケットに入れていた携帯を取り出しジェイムズさんへと電話をかける。
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