名探偵コナン(連載)

□君がいるから
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「ジェイムズさん、お願いします!私もその場に行きます。どうやら子供がそこにいるらしくて…」
『不測の事態というわけか…わかったすぐに向かう』


切れた電話を再びポケットへと押し込むとバイクに跨り、発信機の示すコンテナへ向かう。
バイクを乗り捨て、コンテナの中に乗り込めばそこには小さな少年と先ほどまではいなかったはずの姉なのか高校生くらいの女の子がそこにはいた。


「明美さんっ!」


大きな声で叫ぶように彼女の名前を呼べば、一斉に全員の視線がこちらへと向けられた。
その視線を無視し、真っ赤に染まる彼女へ駆け寄る。


「…優騎、ちゃん」
「明美さん!しっかりしてください!明美さん!」


手を握り顔をのぞき込めば彼女はどこか安堵したような表情を浮かべた。


「すぐ、すぐに救急車来るから!」
「お姉さん救急車呼んだの?」


必死な様子で声をかければ、近くにいた少年に声をかけられた。
そちらを振り返ればそこには幼い子供がするはずもない険しい表情をしていた。
先ほどイヤホンで聞いていた会話。
そこから考えると現実ではありえなさそうな現象がこの子供に起きている、ということになる。
だからこそ、子供らしからぬ表情ができるのだろうが。
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