名探偵コナン(連載)

□君がいるから
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「明美さんっ!?」


さっと彼女のケガの有無を確認するも見たところ当たっているのは胸への一発だけ。
その確認をしたところで救急隊の人たちが駆け寄ってきた。
その所作を見ているとちらりとその隊員と目が合い、一つ頷かれた。
それにホッと安堵の息を吐く。
ストレッチャーに乗せられた明美さんが救急車に乗せられるのを見送り、ちらりと後ろに立つ小さな少年を見やれば彼は悲痛な表情で救急車を見ていた。
だけど、私の視線に気づいたのか視線をこちらへ向けた。
その視線に一つ頷けば彼も一つ頷いてくれた。


「……脈がほぼなくなっていたから、助かる可能性はとっても低い。…だから、自分を責めないで?」


視線を彼とその隣にいる女の子へと向けそう伝え、コンテナを後にする。
一度工藤邸に戻り、バイクを止める。
そして一度家の中へ戻り、いつでも使用していい、と言われていた車の鍵を手に取り車へと乗りこむ。
車の中で携帯電話でジェイムズさんへとかける。
するとワンコールでジェイムズさんの声が聞こえてきた。


『優騎くんかね』
「はい。今はどちらに?」
『杯戸病院が協力してくれたんでね、そこに控えているよ』
「わかりました。その場で彼女を変装させて私の借りてる家に連れていきます。その後はバレないように各々解散してください」
『あぁ、とりあえず君が来るまで我々はここにいよう』
「お願いします」


車の後部座席に積んでおいた鞄をちらりと見ながら会話をし、一通りこの後のことを確認し、電話を切る。
ハンドルを握り、最近マップなどで確認していた杯戸病院へ車を走らせる。
車を駐車場に止め、指示されていた部屋へ向かう。
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