名探偵コナン(連載)

□君に恋をする
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「ところであなたは誰と電話してたのかしら、バーボン?」
「あぁ、それでしたらウォッカですよ。明日の仕事の段取りについての確認程度ですが」


不敵に笑って訊ねてきた彼女に最初から用意していた答えを述べる。
実際に風見と電話する前はウォッカと電話していたのだから何も問題はない。


「あらそう…それにしても可笑しいわよね。あのジンやウォッカがあなたが女であることに気づかないなんて…」


クスクスと今度は機嫌良さそうに笑うベルモット。
コロコロと感情が変わる人だ。


「まぁ、他のメンバーも気づいてないんだったわね。…あぁ、でも一人だけ気づいたんだったわね」


ハンドルを握る手に力が入る。


「裏切り者のライ…FBIのあか…」
「ベルモット…それ以上その名を呼ぶな」
「…バーボンあなた今すごい形相してるわよ。まるで親の仇みたいね、彼」
「気に食わないんですよ、あいつが…」


そう、彼に自分の性別がバレたのも予期せぬ事態だったのだ。
それに…、思い出される彼との最後の会話。
あいつは…何を考えているのかも俺にはわからない。


「…バカにされた気分だ」
「…まぁ、組織の連中はそんな気分でしょうね。裏切られたんだから」


組織は関係ない。俺自身の問題なのだ。
なぜなら俺は裏切る直前の赤井に…恋情の告白を受けたのだから。






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