文豪ストレイドッグス

□繋いだ手のひら
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いつも通りの任務だった。
とある組織の殲滅。
その規模や能力者の有無などがわからず、念のためにと中也と一緒の2人での任務。
各々が幹部であるためにそれほど心配することもなく別々での行動をしていた。
連絡手段は耳に付けているイヤホンマイクだ。


「そっちはどう?」
『大した奴は居ねぇな。手前の方はどうなんだよ?』
「こっちもだね。能力者もいないし、もうすぐ終わるよ」


風を操る異能を用いて次々と向かってくる相手を倒しながらの会話。
数だけは多いようだ。


「さて、こっちは終わったよ」
『あ?じゃあ先に出てろ。俺も直ぐに行く』
「了解。あー、疲れた。どっか美味しいものでも食べに行きたいねー」


こちらの敵がすべて倒れたのを確認して大きくため息を一つ吐き、思った事を口にすれば、中也もノッてきてくれた。


『そういや、拠点の傍に新しく出来た店は評判が良いらしいな』
「え、そうなの?なら行きた...」


その時、背後で何かが動く音を聞き、桜は慌てて振り返ろうとするも、それよりも先に銃声が鳴り響き足首の辺りに熱が走る。
痛みに体を支えられずその場に倒れ込む。
空中で腕を一つ払えばもうその空間で桜以外に生きている者はいなくなる。
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