文豪ストレイドッグス

□君へ捧げる愛想曲
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そう、嫌味と同様に、俺がこいつに嫌がらせをした後はさらなる嫌がらせが俺を襲う。
まさに芸術的なレベルの嫌がらせに何度俺が振り回されたことか。


「手前が何企んでるか知らねぇが、俺と戦え太宰。手前の腹の計画ごと叩き潰してやる」
「中也」
「あ?」


俯いた太宰が指を1つ鳴らせば鍵を回してもいないのに鎖が一人でに外れ、床を転がる。
つまり俺が鎖を蹴り壊す必要もなかった。
そして、いつでもこいつは逃げられたのにここに留まっていたということになる。


「いつでも逃げられたってか」
「君が私の計画を阻止?冗談だろ」


得意気に手のひらの中にあったピンをかざす太宰。
どこからか入手したのかあらかじめ持っていたのか。
そのピンで器用にも手錠の鍵を外したのだろう。
思い出してみれば、昔からこいつはこういうことが得意だった。


「…ふっ、いい展開になってきたじゃねぇか!!」


地面を蹴り、太宰に突っ込む。。
繰り出される数発の打拳を太宰は器用に避ける。
そして腕を掴まれ打拳を止められた。さらに、動きを止めた俺の腹に太宰は拳を突き入れた。
だが、こんな弱い打拳はとてもじゃないが俺を傷つけられやしない。


「なんだその打拳はぁ!」
「ぐっ!!」
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