文豪ストレイドッグス

□君へ捧げる愛想曲
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太宰の体に蹴りを見舞えばその体は簡単に壁へと叩きつけられた。
ずるりと壁に持たれ座り込むそいつ。


「手前…今手を抜きやがったな。按摩にもなりゃしねぇ。手前の格闘術はポートマフィアでも中堅以下だ。異能無効化はやっかいだが、この状況なら異能を使うまでもねぇ。…立てよ。招宴は始まったばかりだぜ」


だが、脱力していた太宰からかすかに笑う声が聞こえた。


「さすがポートマフィアきっての体術使い…よっと」


身を起こした彼はその腕の調子を確認するように動かした。


「防御した腕が捥げるかと思ったよ」
「(寸前で腕を上げ防御したのか。攻撃を読まれているな)」
「君とは長い付き合いだ。手筋も間合いも癖も完全に把握している。でなきゃ相棒は務まらない…だろ?」


だが、読めたとしてもそこまでだ。
再び強く地面をければ俺の体は一瞬で太宰の目の前へと移動する。
そう、もともと本気などは出していないのだ。


「(…っ早い)」
「だったらこの攻撃も読まれてるんだろうなぁ!打拳ってのはなぁこうやって打つんだよ!」


太宰の頬にそして、その腹に拳を叩き込む。
その衝撃で壁に再び叩きつけられた太宰の首を鷲掴み壁へ押さえつける。
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