ハイキュー!!

□「I love you」
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※年上彼女設定


「ねぇねぇ、京治。前にどこかで見たのを思い出したんだけどさ」
「…なんですか?」


部活からの帰り道、最近急に冷たくなってきた空気に体を少し震わせながら二人並んで歩く。
そっと見上げた夜空に浮かぶ月を見て思い出した。


「夏目漱石がさ、I love you を「月が綺麗ですね」って訳したじゃない?」
「ああ、そういう話もありましたね」
「そうそう、デマだって話だけど、何となく素敵じゃない?それに対しての返答の仕方で有名なのは二葉亭四迷の「死んでもいいわ」って返しらしいんだけど…もし、もし京治がI love you を訳すとしたら、なんて訳す?」


そんな問いかけに赤葦はきょとんとこちらを見つめて首を傾げた。


「…随分、突然ですね」
「そうだよね、今ね月を見上げて思い出したんだ。その話を聞いた時は私も素敵な訳が出来ないかなぁって授業中とかにも考えたんだけど、なかなか思いつかなくて」


思い出して小さく笑えば、隣で呆れたような視線を向けてくる赤葦。
きちんと授業くらい聞いてください、って言いたいんだろうけどそんなのは知らないふり。
そんな私に小さくため息をついて、赤葦はそっと口元に指をあて首を捻った。
でもすぐに、真っ直ぐな瞳を私に向けて、
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