その他

□腹痛 ヴィンス
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「わっ!?」


クラウドとレッド]Vとともに旅路を進んでいると、小石につまずき10周年ありがとう!はその場で転んだ。
後ろを歩いていた10周年ありがとう!の声に振り返れば10周年ありがとう!はその場に四つん這いになっていた。


「10周年ありがとう!、大丈夫?」


駆け寄って来てくれたレッドに10周年ありがとう!は恥ずかしそうに笑った。


「うん、大丈夫。ちょっと擦りむいちゃっただけだから」


そう言い、立ち上がろうとした10周年ありがとう!だったが、すぐに尻餅をついてしまった。


「10周年ありがとう!?」
「…どうした?」


流石に少し離れたところで様子を見ていたクラウドも10周年ありがとう!が立ち上がらないことに怪訝な表情を浮かべて近づいてきた。


「あーちょっと足首やっちゃったみたい…」
「…待ってろ、いま回復を」


そう言って道具袋をガサガサとあさりポーション類を探しているようだ。
しかししばらくすると道具袋ではなくポケットへと手を掴んだ。
かと思えば次は自分の武器についているマテリアを確認し、そろりとレッド]Vへと視線を向けた。
視線を向けられたレッドは左右に首を振った。


「オイラ回復系はなんも持ってないよ」


クラウドの視線が10周年ありがとう!へとうつされる。


「…持ってたらすでに自分でどうにかしてるよ?」
「…そうか」


小さくため息を吐いたクラウドはおもむろにその場にしゃがみ込み、10周年ありがとう!に背を向ける。


「回復系はなにもなかった。次の町までとりあえず乗れ」
「えっ!?いやいや!歩くよ!」
「え、でも10周年ありがとう!けっこう痛そうだよ?」
「うっ…」
「お前一人くらいなんてことない。進むのが遅れれば他のやつらを待たせるだけだからな」
「うぅ、お世話になります」


そっと首に背を回し、背中に乗る。
10周年ありがとう!が乗ったのを確認したクラウドはよろつくこともなく立ち上がり足を進める。


「周囲の警戒はオイラに任せて」
「ああ、頼む」
「ごめんねぇ、レッド」
「ごめんねよりありがとうの方が嬉しいよ!」
「…そっか、ありがとうレッド。ありがとう、クラウド」
「へへっ」
「…気にするな」


僅かに後ろから見えたクラウドの耳は赤くなっていた。
思わず誰も気づかれないように10周年ありがとう!は微笑んだ。
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